八幡「ゲームが完成しそうだからすぐこい?」 ルナ「ルナのゲームだよ」
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26: ◆SqZQSXA.b2[saga]
2017/05/02(火) 01:16:49.97 ID:FJ9Y1SA/0
そんな想いを含んだ願いは、形となり、現実へと干渉する。

一瞬、眩い光を放ったカードは粉々に砕け散った。

そして、見覚えのある女戦士の背中が目の前に現れる。

彼女がゆっくりとこちらへ振り返るのを、息をすることも忘れて、待つ。

たなびく黄金の髪と対比するように、無機質な銀色の甲冑が重々しく動いた。

透き通るように白い肌、桜の花のように薄い桃色の唇、そして月よりも美しい灰色の瞳が、自分に向けられる。

天剣の乙女「私を解放した者は、お前か」

俺は頷いて、彼女の反応を伺う。

彼女にその記憶はないと思うが、自分を殺した相手からは目を離せなかったのだ。

その俺からみても、彼女は凛とした態度で堂々と言い放った。

天剣の乙女「お前の願いを聞き入れるには、ひとつ条件がある」

ああ、そういえば、従者側からも条件をだせるのだったな。(前スレ参照)

八幡「あまり無茶なことはできないが、言ってくれ」

天剣の乙女「難しく考えるな、あるじだからこそできることだ。

私がお前をタスケル条件は、タスケルその方法を、私が決めることだ。

あるじたるお前の意見にも耳を傾けるが、最終的に決めるのは私だということを承知してもらいたい」

その口調からは、岩盤のように強固な意志を感じた。

同時に、俺はその脆さも感じ取ってしまう。

なぜならその条件が、奉仕部の中にいる自分に近いものだと感じたからだ。

彼女はなんらかの理由から、かならずしも最善の方法で、自分をタスケルつもりではないのだろう。

構わない、それが彼女の意思だと言うなら、それすらも利用してやる。

八幡「分かった。その条件を呑む」

天剣の乙女「フッ。物わかりのよすぎるあるじだ。後悔するなよ」

彼女は、その硬い口調をようやく緩めた。

八幡「とりあえず今の状況はそこそこ危険だ。周りに何かが潜んでいる。ずっと俺を尾行してきたソイツを追っ払ってくれ」

天剣の乙女「じきに日が沈む。そんなことをしていては、二人仲良く森の餌食にされよう。今は、一刻も早く脱出を考えなければならない」

天剣の乙女は、甲冑を鳴らしながら、俺に両手を差し出す。

天剣の乙女「ほ、ほら、だっこしてやる」

八幡「あ?」

天剣の乙女「召喚した直後だ、あるじはまともに動けまい」

八幡(そういえば、身体がものすっごくだるい。まるで体中に鎖を二重三重に巻き付けているような感覚だ。しかし…?)

天剣の乙女「なんだ、その不審げな目は。私はただこうするのがよかろうと…」

耳を真っ赤に染め上げて、口をもごもごさせる天剣の乙女。

その姿を見ているとどうしてだろうか。平塚先生を無性に思い出すのは。


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