八幡「ゲームが完成しそうだからすぐこい?」 ルナ「ルナのゲームだよ」
1- 20
21: ◆SqZQSXA.b2[saga]
2017/04/28(金) 23:22:38.91 ID:C2uVeigw0
さて悪路に苦戦しているうちに、日は傾き、森はその様相を変貌させつつあった。

木々は模様を失い闇に溶けていき、それにまぎれるようにして夜行性の動物が目を覚ます。

事実、周囲から不自然な物音が、ときどき聞こえるようになったのだ。

そのたびに、進行方向をそれから遠ざけるように変更する。

そんなことを繰り返しているうちに、方向感覚は失ってしまった。

八幡(だがそれ以上に…この物音の主は、とても嫌な感じがする。

なにせ生唾を飲み込む音すら聞かれそうなくらいの距離にいながら、様子を伺っているだけなのだから)

その正体は獣か、化け物か、はてまた、ただの妄想か。

いずれにせよ、俺は臨戦態勢に入っていた。

といっておきながら、武術の欠片も習っていない自分にとっては、ポケットの中のカードをしっかりと掴んでおくことなのだが。

さぁ来るなら、来い。

むしろ早く来てくれ。

このまま長期戦にもつれこむのは望むところではない。

時間が経つにつれてこちらが、不利になるのは明らかだ。

視界が悪くなり、体力も消費する。なにより、この集中もいつか途切れる。

それにこたえるように、背後からガサリと音がした。

慌てて振り返っても、草木が揺れるばかりで、その姿は見えない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
58Res/55.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice