永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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781:名無しNIPPER[saga]
2023/01/07(土) 20:59:35.17 ID:G+zmOxss0


薬売り「…………」



 薬売りは、何も語らなかった。
 八意永琳の問いかけに答えるそぶりすらせず、ただひたすらにじぃーっと、相手の顔を見つめるだけであった。
 そうなってしまう気持ちはわかる。まぁ、薬売りにとっても初めての事だったのだろう。
 無縁の地にふらりと現れる事はあれど、逆に”その地に縛り付けられる事”など、一度たりとも。



薬売り「…………」



 しかし…………まっこと、幻想郷とはよく言ったものである。
 「幻想となった存在の最後の御座所」との事だが、その幻想とやらの中にアヤカシの類も含まれておる故、こうして魑魅魍魎の跋扈する世に成り果てた……まではわかるがな。
 しかしそれでも、人とアヤカシが共存するなどと…………人と妖が、互いに”依存しあう関係”になるなどと。



「口に出さなくてもいい……答えは、形となって現れるから」



(私は正しい)



「形は真から作られ……真は理から生まれたモノだから」



(お前も正しい)



 そんな、おおよそ理解届かぬ地にまんまと足を踏み入れてしまったが為に、こうして出奔に困窮するハメになった――――と、皆はそう考えるであろう?
 ふっふっふ、甘いな皆の衆。この男がいかなる存在か…………やはりこの場では、身共が唯一の理解者であろう。



「そしてその理はきっと……”私と同じモノ”だから」



(だからお前は、私と同じ報いを受けるべきなのだ)



【幻】



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