永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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664:名無しNIPPER[saga]
2018/12/24(月) 05:07:07.94 ID:A1WvWOlK0


 『重』――――薬売りがその名を口にした瞬間、天変地異と見間違う程の大震動が巻き起こった。
 揺れ動く大地が竹の一本一本をなぎ倒し、葉の一枚一枚を宙に漂わせ、ただでさえ乱れ切った永遠亭はさらに乱雑へと掻き乱されていく。
 自然の業としか思えぬこの地動は、しかし森羅万象とはほとほと無縁。
 大地の蠢きが如何なる音を奏でようと――――全ては自然と相反する、純粋な【怪異】の所業なのである。



薬売り「――――退魔の剣を抜くには条件がある」


薬売り「形・真・理の三つが揃わなければ剣は抜けん」



 『豪』――――足を大きく掬われそうな激しき揺れの中、それでも薬売りは速やかに立ち上がる事が出来た。
 一介の薬売り風情に天変地異を正す力などない。
 ただしそれが――――モノノ怪の仕業であるならば。
 本来あるはずのない事象だと、初めからわかっているならば。



薬売り「モノノ怪を成すのは――――人の因果と縁」


 
薬売り「真とは――――事の有り様」



薬売り「理とは――――心の有り様」




 薬売りにとっては、無も同然であったのだ――――それが如何に、大きなる慟哭であろうとも。



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