永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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587:名無しNIPPER[saga]
2017/12/30(土) 01:45:45.57 ID:9QvYt9c00



「どこだどこだどこだ――――四つ葉のシロツメクサは、一体どこにある!!」



――――兎は、一心不乱に探し続けた。
 傷だらけの御身を引っ提げ、ただでさえ薄暗き竹林の中を、あるかどうかもわからぬ「四つ葉のシロツメクサ」だけを求めて。
 


(どこだどこだどこだ――――どこだどこだどこだ――――!)



 兎にとっては、まさに死活問題であった。
 文字通りまんまと盛られた一服。
 してその効能は”望まぬ永遠”。

 「――――永遠は望む者には薬となり、望まぬ者には毒でしかない」
 薬売りの言葉を借りるなら、妖兎にとっての永遠は、まさに毒でしかなかったのだ。



「速く――――見つけないと――――」



 何故ならば、永遠とはすなわち不滅と同義。
 そして不滅が齎すは、兎の存在そのもの。
 なればこそ、言葉の通りに兎を「永遠の存在」にしてしまうのだ――――”全身を痛めつける古傷と共に”。



「速く見つけないと――――あたしは――――あたし”達”が――――!」



 しかしながら、兎が真に危惧する事は、傷の不治ではなかった。
 兎が真に願いし事――――すなわち永遠亭の守護である。
 傷の治療を目指し、暗躍し続けたるは未だ記憶に新しい。
 しかしそれらは、あくまで目的遂行に至る、過程の一部でしかなかったのだ。

 だが――――それもこうして、夢半ばに潰えようとしている。
 兎の計り事が、”どこぞの薬売りのせいで”大幅に狂った事は、もはや言うまでもない事であろう。




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