永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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582:名無しNIPPER[saga]
2017/12/26(火) 22:36:08.32 ID:nrMdkQ4a0



薬売り「さて……では……」


【凜】


薬売り「後の方は…………”よろしく御頼み申し上げ候”」


【臨】


 そう言うと薬売りはそっと着物を整え、静かに座した。
 そして、待つ。
 「もはや為すべき事はなし」「もはや自分には、座して待つ以外に為せる事はなし」
 そんな事でも考えてそうな、何とも言えぬ呆けた表情を浮かべながら。



薬売り「…………」



 そしてそんな「静」を貫く薬売りとは対照的に、「もはや待ちきれんと」ばかりに蠢く、一つの物があった。
 そう、皆もご存じ――――『退魔の剣』である。



薬売り「…………そう急くな」


退魔の剣「〜〜〜〜ッ!」



 「奪われたはずの剣が何故薬売りの元へ戻っているのか」。
 その答えは至極簡素な理屈である。
 速い話が、”忘れ去られた”のだ。
 折角奪い取ったにも関わらず、焦る余りに置き去りにしてしまった、あの荒ぶる兎によって。



薬売り「直に…………戻って来る」


退魔の剣「〜〜〜〜ッ!」


薬売り「直に自ら…………”全てを返しにやって来る”」


退魔の剣「〜〜〜〜ッ!」



 「だからただ、待っていればいい」。
 これまたそんな事でも考えてそうな、澄ました顔で――――
 薬売りはただひたすらに、待ち続けているのであった。



【――――いってらっしゃい】


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