永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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533:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:23:00.73 ID:gi94QXUf0


薬売り「しかし……これほどまでに稀が重なるなど……!」

兎「はぁ――――いいかい、薬売りさん」


 ”全ての可能性は、観測されることで初めて結果として現れる”。
 と言う事は、どこで何が起ころうと、誰にも認識されなければ、何も起こってないのと一緒なんだ。
 それはこの光景だって一緒。
 そこがどれだけ素晴らしい世界だろうと、誰も知らない場所は、何もない荒野と同じなんだよ。



【講義】



薬売り「いまいち……何をおっしゃっているのかわかりかねます……」

兎「じゃあ例えば……仮に誰かが、今の地震の原因を突き詰めようとしたとしよう」


 するとその誰かは、結論を求めて走り出すだろう。
 まぁ途中で諦めるとかあるけど、そこはないと仮定してだね。
 地震ならなんだろ……「地盤のひずみ」とか「海底の地割れ」とか、そんな感じかな。
 とかくそうして、いつか納得に足る【結論】に辿り着く。


薬売り「それが人の歩んだ歴史だ……そうやって人は、今日まで発展を遂げてきた」

兎「じゃあ逆に聞きますけど。そうやって長年かけて発展してきたはずなのに――――”本質は一向に変わらない”のは何故だい?」


 知識を重ねて、知恵に昇華し、現実を染め上げ、時が濃厚にしていく。
 にも関わらず、器は何も変わらない。
 絵と一緒だよ。紙をどれだけ色鮮やかに描こうが――――”描いてる当人は何も変わっちゃいない”。

 変わってないんだよ。何も。
 変わったのはあくまで周り。
 人の数だけ染められた現の色々。
 それを光が照らすから…………”鮮やかに見えるだけ”。



兎「どこにいようが、何をしようが――――”どこから来ようが”」



【不変式】



 赤色・橙色・黄色・緑色・水色・青色・紫色。
 命の数だけ色があり、現実を染めていく。
 そして数の分だけ、数多の色々は混ざりあう……したらどうなるだろう。
 

兎「あら不思議。全部まとめて消えてしまったじゃないか」

薬売り「……」


 一度描いた絵を、寸分違わず描き映す事は不可能だ。
 例え傍目にはどれだけソックリできてようが、色合いとか、線の加減とか、その他諸々……。
 必ずどこかで、違いが出るから。
 


兎「描く対象が――――”自分自身だったとしても”」


https://i.imgur.com/Aop8iLL.jpg





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