永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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484:名無しNIPPER[saga]
2017/12/10(日) 21:09:21.71 ID:U8yEZtnF0


 これって、人間同士でも同じ事が言えるよね。
 例えば、さっき見た北国のガキンチョと、一面海に囲まれた島で育ったここの子供。
 果たして彼らは、同種の人間と言えるだろうか。


薬売り「全く同じ……と言うわけには、いきませんな」

兎「そ、言えないよね〜。だって、生まれも育ちも、何もかも違うんだもんね」

兎「育った環境が違うから常識も違う。発想も違う。生き方も違う。ついでに言葉使いも若干違う」

薬売り「ま……多少の分別は避けられないでしょう」

兎「そんな違う者同士を、仮にこう、狭ッ苦しい同じ家へと入れた時……果たしてこの違う者同士は、どうなっちゃうだろう」

薬売り「当然……そこには”摩擦”が生まれる」

 

『――――互いの内にある些細な違いが、双方に細かな傷をつける。
 細かな傷は、擦れば擦る程に増えていく。
 それはまるでやすりのように、続けば続くほど、ドンドンとすり減り削られて行く……
 そして最後には、消える』



兎「その場合、残るは強度に優れた鉄製のやすりか、加工に秀でた銅製のやすりか……」

兎「はたまた、”両方共消えてしまうのか”」

薬売り「どちらにせよ……壊れた道具は、捨てられるのが常ですぜ」

兎「道具はね。でも、生命はそうじゃない」

兎「ほら、見てごらんよ。ここにはそんな……”擦り合った痕”がいっぱいだ」



【墓】




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