永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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462:名無しNIPPER[saga]
2017/12/04(月) 02:45:07.45 ID:u3ex58150


薬売り「なるほど、ね……」


(…………)


薬売り「巻き戻る記憶の中で、幻となった記憶の断片……」

薬売り「その欠片こそが…………”貴方方兎だった”と言うわけですか」


 薬売りは、妖兎が操るこの兎の群れこそが、”無くした記憶の断片達”であると推察した。
 それが当たっているかどうかはわからない。
 だが、薬売りにはどちらでもよい事である。
 妖兎の持つ、真と理を知ることさえできれば――――集いし兎の正体など、どうでもよかったのだ。



(きゅう〜)



薬売り「ええ……わかっておりますとも」

薬売り「では、そろそろ終わらせるとしましょうか……」

薬売り「この永遠亭が残せし……”最後の理”を」


 薬売りはそう言うと、兎に向かってとある物を投げつけた。
 その物は、投げられると同時フワフワと宙を漂い、そして兎の頭上へと緩やかに舞い降りて行く。

 ”凜”――――着地と同時に綺麗な鈴の音がした。
 そうだ。薬売りの投げたそれは、いつぞやの【天秤】であったのだ。


https://i.imgur.com/DiiXVWw.jpg


 前から思っていたのだが……この天秤、やはりただの天秤ではない。
 曰く「モノノ怪との距離を測る為の物」らしいが、効果は明らかにそれだけではない。
 なんせ身共もその場にいたのだ。そして、確かに見た。
 「真を手繰り寄せる」――――そう言った直後、真が風景となりて現れる様を。



薬売り「……おや」



 此度の天秤もその時と同じである。
 薬売りはあの時のように、天秤を用いて、妖兎の持つ「真の風景」を浮かべようと画策したのだ。



 そしてやはり――――現れた。





薬売り「これは……」





 自称「惨め」で「愚か」で「何よりも矮小」でありつつも――――”誰よりも幸せだった”真が。



https://i.imgur.com/l3KnLHf.jpg




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