永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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453:名無しNIPPER[saga]
2017/12/04(月) 00:39:54.82 ID:u3ex58150


薬売り「諦めたら……傷が……?」

てゐ「そう、傷。あんたもよく知ってる話とやら……の中で付けられた傷が、”時を超えて再び現れた”」

薬売り(どう言う……事だ……?)


【再現】


薬売り「傷は……癒えていなかった?」

てゐ「半分正解だけど、半分ハズレ――――傷は癒えてもいたし、癒えてもいなかった」

てゐ「ここまで言えば、もうわかるでしょ……その現象に名がある事を知ったのは、さらに先の話だった」

薬売り(猫……)


――――ここへ来てまたも「すれてんがーの猫」、か……
 学者の頓知遊びと言えば聞こえはいいがな。しかし門外の我らにとっては、論を思い出すのも一苦労と言う物だ。
 ただ……そんな無理問答も、薬売りにだけは解決でき申した。
 それは学者としてではない。「薬売りを生業とする者」が持つ見地が、たまたま同じ解を指したに過ぎなかったのだ。


薬売り「そうか……そう言う事だったのか……」

てゐ「そーよ。傷は明らかに、あたしの心に反応していた」

てゐ「長い時を経た今ですら、こうして残るように……あたしの心を、まるで鏡に映すかのように」


 あるはずがない箇所に走る幻肢痛。
 未だ解き明かされぬ奇病であるが、だがその入り口だけは、うっすらと見えていた。
 あくまで仮説の段階である。
 しかしまぁ、医学的な見解からすれば、数多ある可能性の中では最も有力なのだろう。



薬売り「あなたが本当に傷つけられたのは……」


てゐ「あたしが本当に、傷ついていたのは――――」



 してその説とは……これまた何の因果であろう。
 奇しくもそれは、薬売りが最も得意とする分野であったのだ。



てゐ「――――”ここ”だった」



 モノノ怪を生む情念。その根源を湧き立たせる箇所――――【脳】である。


https://i.imgur.com/BknU2Ah.jpg




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