永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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435:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 01:49:05.44 ID:EID7KJ+P0


薬売り「……いやに唐突ですな」

てゐ「そうね……うどんげなら、その辺もうちょっと上手く語れるんでしょうけど」

てゐ「けどダメね。あたしが言うとどうも、言葉に詰まる……実は結構、悩んだりしたんだけどさ」

薬売り「いえ、そうではなく……」

薬売り「”小さき民”ですよ。あれほど貴方を慕っていたのに」

てゐ「ああ……そっち」


 連中が何を思ってそういう行動に出たのか――――”その時は”わからなかった。
 でも、それが島を出る「キッカケの一つ」になったのは確かだった。
 正直、頭に来てた……あんなに頼ってきた癖に。あんなに輪に入れたがった癖に。


てゐ「頭に血が上ってた……何かに八つ当たりしてやりたい気分だった」

てゐ「ちょうどその時だった……”一匹の和邇”が、あたしの前を通り過ぎた」

薬売り「和邇……?」


 そん時の和邇は、なんか知んないけどやたら上機嫌だったのを覚えているわ。
 よくわかんないけど、とりあえず何か”良い事”があったらしい。
 妬みってこういう事を言うのね。
 人がちょっと凹んでる時に、こう、嬉しそうに泳ぎ回る和邇を見てたら……なんか無性に、イラっときて。


てゐ「煽ってやろうと思って、和邇に声をかけた――――おい! そこのアホ丸出しのウロコヤロー!」


 「てめー何人のなわばりで悠長に泳いでんだコノヤロー!」
 我ながら意味不明な因縁だけど、ま、イライラしてたからね。
 そう言って喧嘩腰に話かけたら、案の定和邇は、すぐにこっちを振り向いたわ。



(――――ヤバ〜……やってしまったのよさ……)



 その時……あたしは我が目を疑った。
 だって、あたしの声に反応した和邇は、一匹だけじゃなかったもの。


https://i.imgur.com/N8UT8c2.jpg


てゐ「和邇は一匹だけじゃなかった。一匹に見えたのは、和邇の群れの中で、”たまたまあたしが見える範囲にいた”一匹に過ぎなかった」


 完全にやらかしたと思ったわ。
 機嫌がよかったのは、なんてことない。和邇も宴の真っ最中だったのよ。
 つっても和邇の宴って、ちょっと想像つかないけど……
 まぁ要は、仲間同士集まって海の中でどんちゃんやってたらしいわ。



てゐ「まるで――――いつかのあたしみたいに」



【和邇の宴】






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