永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
1- 20
419:名無しNIPPER[saga]
2017/11/30(木) 00:47:44.17 ID:rqejUdQb0


薬売り「見え透いた仮病をと思っておりましたが……まさか、本当に痛がってたとはね」


 うむ……これほどの大怪我、見ている側も痛々しく感ずるほどだ。
 ならば無論、当人が感じる”痛み”は計り知れないであろう。
 さもあらば、次なる欲求が生まれるは至極道理。
 「この傷を何とかして治したい」――――妖兎はそう、強く願っておったはずだ。


薬売り「だからあっしに頼んだ……永琳が精製し、どこぞに隠した、全ての病を治すと言う【万能薬】の在処」

薬売り「もう一人の兎に……”あらぬ誤解”を抱かせる事も、覚悟の上で」

 
 そして、「全ての邪魔者がいなくなった所で、夜中にこっそり服用しよう」と企てた。
 そこまでは良い。そこまでは合点がいくのだ。

 しかしだとすれば、今度は別の疑問が沸く。
 そもそもな話――――何故に今迄傷は放置されていた?
 わざわざ万能薬になど頼らずとも、すぐそばに世界有数の医者がいたのに。


てゐ「薬なんかに頼らなくても、”お師匠様に頼めばすぐ治してもらえただろ”って、そう言いたいんでしょ」

薬売り「ええ、まぁ……」

てゐ「言われずとも……とっくの昔に診てもらったわよ」

薬売り「診た……だけですか?」


 しかし傷は未だ残る事実。
 よってその答えは、自然と「二つの可能性」が浮かび上がると言う物よ。

 一つは、「永琳が治療を拒否した」可能性。
 妖兎の普段の行いを顧みるに、度重なる悪戯に手を焼いた永琳が、「戒め」として治療を拒否した可能性十分に考えられる。
 

てゐ「シュレディンガーの猫……この傷は、それと同じなの」

薬売り「机上の空論に……現れる矛盾……」


 だが、そうではなかったとしたら……残る可能性はただ一つ。
 これは、実に考え辛いのだが……
 しかし、仮に……「永琳ですら治せなかった」とすれば。


【不治】




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/717.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice