永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/28(火) 01:34:27.65 ID:ZInpvyTS0
てゐ「ほんと、初めてよ……こんなに複雑な気分の勝ちは」
薬売り「いいじゃないですか……如何様な過程であろうと、それでも勝ちは勝ち」
薬売り「あっしが降参せざるを得ない程、貴方は狡」
【訂正】
薬売り「強かった」
てゐ「何噛んでんのよ」
勝者への賛辞が、どこか棘がある風に聞こえるのは気のせいか。
いまいち気乗りしない様子の妖兎に、薬売りはこれまた微妙な祝福を投げかけた。
まぁ、確かに実感はないだろうな……何せ、何もしていないのだ。
妖兎は妖兎なりに練ったであろう謀りの数々。これらがある種、「全部無駄になった」とも言えるのだから。
薬売り「まぁ、そう思っていれば……いいんじゃないですかね」
てゐ「ふん、あんたの下手な世辞なんてどうでもいいわよ」
てゐ「そんな事より、これ……よく見ると、中々かわいいじゃない」
薬売りの世辞こそ響かぬままであったが、それでも妖兎は、徐々に機嫌を取り戻しつつあった。
その所以はやはり、その手に掴んだ退魔の剣。
モノノ怪を斬ると言う唯一無比の価値とは別に、「個人的に好ましい形」が、いつの間にか妖兎の心をがっちりと掴んでいたのである。
てゐ「ふむふむなるほど……刀っつーより、脇差? に近いわね」
薬売り「まぁ、懐に収めれるくらいですからね」
てゐ「それに……軽い。これならあたしでも、十分取り廻せそう」
薬売り「特に貴方様は、背丈が小さいですからね……」
剣と呼ぶには少し短い寸尺は、薬売りの言う通り、妖兎の背丈にピッタリであった。
「よっほっは」と取り廻す姿も、妖兎の小ささが相重なり、存外様になっておる。
ふむ……確かに、ある意味薬売りより妖兎の方が、主に相応しいかもしれぬ。
それ程までに、退魔の剣と妖兎との「上っ面」の相性は、抜群であったのだ。
てゐ「なんか……なんか、テンションあがってきた!」
薬売り「それはそれは……ようござんした」
楽し気にじゃれる妖兎に、その様子を冷ややかな目で見守る薬売り。
妖兎の童に近い姿も手伝い、一見すると、まるで親子かのような実に微笑ましい光景にも見えよう。
【宴】
しかしながら――――所詮は幻。
そういう風に見えた所で、無論親子なわけはないし、どころか同じ種族ですらない。
如何に盛り上がった所で、たかだか偶然なる一期一会。
故に二人の関係は、どこまで行っても――――”赤の他人”に過ぎなかったのだ。
薬売り「あ・それ。あ・それ」
妖兎「ほぉぉぉぉ……とおッ!」
そんな事は、当人同士こそが一番よく存じ上げていた。
故にあえて、流れに身を任せた。
そう、不意に訪れたこの愉快な一時は――――これから始まる【本当の決戦】への、わずかな余暇にすぎなかったのだから。
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