永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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396:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 04:36:25.02 ID:N+y5bzEE0


てゐ「まさにシュレディンガーの猫ならぬ、シュレディンガーの兎?」

てゐ「箱の 中の 兎は いついつでやる――――ってか?」


 他の者にかまけ、不振とわかりつつ放置してしまったせいか。
 月の話に魅せられ、地上の兎に目を向けなかったせいか。
 薬売りは妖兎の煽り言葉を前に、実しやかに噛み締めておった――――この妖兎は”最後に回すべきではなかった”。

 タガの外れた妖兎は、もはや誰にも止める事が出来ぬ。
 何故ならば、妖兎を諫める唯一の存在……”八意永琳”。
 彼女はもう、とおの昔にいなくなってしまったのだから。


てゐ「――――さぁてちんどん屋ァ! おしゃべりタイムはもう終わり!」

てゐ「あたしってば、決闘の前にベラベラおしゃべりすんの、あんま好きくないのよね!」


 あわよくばを狙った薬売りの儚い企みは、こうして露も残らず消え失せた。
 これから決闘をする者同士、交わすべきは言葉でないのは明白である。

 ベラリ――――次の瞬間、妖兎は意気揚々と一枚の札を取り出した。
 その札こそが、この幻想郷に置ける決闘の合図。
 その名も「すぺるかうど」。
 妖兎の持つこの特有の符が、もはや待てぬと言わんばかりに今、薬売りの眼前に突き付けられていたのだ。


https://i.imgur.com/Q8ttjXJ.jpg




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