永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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36:名無しNIPPER[saga]
2017/03/26(日) 03:08:25.21 ID:fB8nq6PZo

てゐ「食らえーーーーーッ!」


薬売り「形・真・理の三つによって」


薬売り「剣を」


てゐ「オラァァァァーーーーーッ!」


薬売り「解き放――――」



――――なんと、げに奇怪な事態であろう。
 薬売りにあらぬ誤解を抱き、ついに牙を剥いたるは半人半兎のアヤカシ。
 アヤカシは己が持つ呪符で持って薬売りへと襲い掛かり、薬売りは其れを迎え討たんと、いざ身構え申した。
 それは、まさにその刹那の出来事である。



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 退魔の剣は薬売りの形・真・理に応える事無く押し黙り、よって薬売りは兎の牙に空手で挑む運びとなった。
 剣の沈黙は形・真・理が違っていた……すなわち、薬売りの見当違いを意味して申す。
 だがしかし、薬売りの仰天は其れとは無関係にござい。
 薬売りの関心はアヤカシの事など隅に追いやり、代わりに、視界の隅を微かに掠めた”小さな影”に移ったのである。



てゐ「………………え?」



 その影は韋駄天の如き瞬足で、瞬く間に薬売りの視界の、奥へ奥へと突き進み――――
 半兎の身を”グサリ!”と貫いた後、ようやっと消え失せたのだ。




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