55: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/03/16(木) 19:07:46.48 ID:mBfbfeoZ0
単語は理解しました。文節もオッケー。ただそれらが連なった文章が理解できません。
ひとまず最大の疑問点を彼女にぶつけました。
「あなた、カバなんですか?」
「ええ。私はカバのフレンズですわよ」
「…………」
確かに、なんとなくカバの面影があるような気がしないわけでもないようなあるような……。
ですがなんとなく理解しました。おそらくこの集落の方々は動物に扮して生活する風習があるのでしょう。きっとそうでしょう。そうであってほしい。
そう自己暗示をかけた瞬間、女性のけもの耳がぴょこぴょこと動きました。震える指を抑えながらお尋ねします。
「……その耳、本物ですか?」
「おかしなことおっしゃるわね。偽物の耳なんてありますの?」
絶句。
あれが本物だとすれば、ほぼ間違いなく彼らの仕業となります。彼らの仕業となればわたしの仕事となります。わたしの仕事だとすれば、これはとんでもない規模で発生していることになります。
わたしが唖然としているのもなんのその、カバさん(自称)が首をひねりました。
「あなた、何のフレンズですの? 見たところ、尻尾も耳も羽もないようですけれども……」
文脈で判断するところ、フレンズというのは扮する動物の種類のことでしょう(願望)。
「私、ここの人間ではないんで……」
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