190:名無しNIPPER[sage]
2017/03/21(火) 16:31:00.27 ID:2UNgcIfYO
「落ちるだけです」
「…………」
顔面蒼白のジャガーさんと対照的に、カワウソさんの顔はキラキラと輝いています。
「あなた飛べるんだね! すっごーいっ! 私も飛んでみたかったんだー!」
そういって一人ハンドルを動かし始めます。
「あ、カワウソ!?」
「大丈夫ですよ、ジャガーさん」
わたしはジャガーさんに微笑みかけました。
「わたし、これでも里では……、他のちほーでは魔法使いっていわれているんです」
「まほー、つかい?」
「いろいろ不思議なことが起こせるんですよ。任せて下さい」
「……。わかった」
ジャガーさんは覚悟を決めたようで、カワウソさんの反対側に立ってハンドルを動かし始めました。
わたしは前をじっと見つめます。妖精さんがいない、つまりは魔法が使えないのです。神様がわたしの日頃の善行を見ていてくれていることを祈るしかありません。
若干下り坂になっているせいもあり、速度は順調に上がっていきます。
「頼みますよ、妖精さん」
今はいない彼らへのお願いも済ませます。
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