【二次創作】有山「天空ロンパ!」九条「4スレ目だよ」【安価とコンマ】
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542:名無しNIPPER
2017/11/01(水) 01:43:49.93 ID:eIhEsYBk0
 「ねえ、ねえキミ」

 うんうんなやんでたら、いきなり声をかけられた。それでもおどろかなかったのは、それくらいなやんでたからでも、おどろく余裕もなかったからでもない。その声がとってもあったかくて、やさしかったからからだ。きっとそうだ。

 「大丈夫?困ってるみたいだけど、迷子になっちゃったの?」
 「・・・だ、だいじょぶです。ごしんぱいありがっ」

 そのしゅんかん、ボクの世界はリセットされた。つまらない悩みとかおなかの中の気持ち悪さとか、ぜんぶ消えてなくなった。ただ目の前にいる彼女のためだけに、ボクの世界はもう一度形を作り直した。
 一切みだれず流れるシルバーブロンドのかみの毛は陽の光をうけてかがやく。少しだけ明るいブラウンのブレザーとスカートの奥にのぞくシャツの白さとむなもとの赤いリボンに自然と視線がひかれる。クリアイエローの目をうっかり見てしまうと、体がかたまってうごけなくなりそうだ。

 「ありが?アリガ君っていうの?」
 「えっ・・・?い、いや・・・ボクは。うぅっ・・・I feel sick・・・」
 「気分悪い?お水飲む?」
 「あ、ありがとござます・・・」

 彼女にさしだされたペットボトルの水を一口のんで、ボクはゆっくりクールダウンした。やさしい人だなあ。

 「ずいぶん楽なりました」
 「よかった。もう無理してジェットコースター乗っちゃダメだよ。身長制限にも届いてないのに、危ないよ」
 「はあ・・・」

 それよりももっと気にしなきゃいけないことがたくさんあるような気がする。のんきな人だな。春のやさしい日差しみたいだ。
 おちついてから、もう一度、ボクたちのいる場所がどんなところか、見渡してみた。

 「なんだか変なところだよね」
 「そうですね」

 どうやらボクたちがいるここは、テーマパークの一角みたいだ。目の前にはジェットコースター、向こうにはメリーゴーラウンド、あっちにはスプラッシュコースター、ホラーハウスや観覧車も見える。その向こう側は全然見えなくて空はどこまでも青い。このテーマパークはまだまだ広そうで、どこまでも続くような気さえする。ボクと彼女はぽつんと、そのど真ん中に置き去りにされたみたいだ。


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