日向「神蝕……?」
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49:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/16(木) 18:04:17.66 ID:IXfYRWfn0

キーン・コーン・カーン・コーン……

聞き覚えのありすぎるチャイムの後、部屋のモニターに安楽椅子の学園長が映った。

学園長 『時刻は、夜の10時を回ったよ。間もなく食堂のドアをロックする。まだ残っている生徒は早めに
     部屋へ戻りたまえ……そうそう、初めての隔離型をクリアした君たちに、ご褒美をあげるよ。
     明日の朝、"食堂のテレビモニター"を見たまえ。では、おやすみなさい』

プツンッ…。

日向  (もう夜時間か……今日も色々ありすぎて疲れたな)ボスッ

日向  (生き返った学園長、神蝕、外の世界、俺たちの体……謎だらけだ)

ベッドにうつ伏せになって考える俺の脳裏に、ふと昼間の光景が蘇った。

葉隠  『このまんまじゃ俺、またうっかり江ノ島っちにやらかしそうなんだべ』

日向  「!そうだ、江ノ島!!……江ノ島盾子も蘇ったって事か!!?」

日向  「……でも、あいつがいるならなんで俺たち"絶望の残党"に何もコンタクトを取らないんだ?
     いや、すでに誰か江ノ島と接触しているのか?」

それはない、とすぐに思った。
77期生たちの動向には気を配っているが、隠し事が苦手な奴らばかりだ。
初対面に近い俺でも『悩みがある』ぐらいはすぐに分かったんだ。そんな異変があったら
とっくに気づいている。

日向  「明日、苗木を問いつめるか?……いや、答えてもらえるわけがない。
     かえって俺たちの立場が悪くなるかもしれないな」

日向  (でも、江ノ島の事は放っておけない……明日、こっそり探りを入れてみよう。その為に)

俺は起き上がって、部屋に備えつけのメモ帳を取った。鉛筆でさらさらと簡単なメッセージを記す。

――江ノ島盾子が蘇っているらしい。お前たちは知らないふりをして探れ。  日向

日向  (あとはこれを、全員の部屋のドアに挟んでおくだけだな。西園寺あたりが腹をたてそうな
     気もするが、江ノ島の存在次第で俺たちの命がどうなるか決まるんだ。
     苗木たちが動く前に正体を掴んでおかないとな)


『龍』から一夜明けた日曜日。

一晩考えてだいぶ頭がすっきりしたので、食堂に向かった俺は、テーブルで言い争う二人を見た。

左右田 「だーかーらぁ!!誤解なんだって!!」

西園寺 「人形に顔近づけてハァハァやってたじゃん、わたし見たんだからね!!」

日向  「……左右田、俺たちは親友だ。お前がどんな性癖を持っていても、俺は受け止めるぞ」

左右田 「だからちげーって!!!」

事の起こりは今朝早く。夜明けごろに目が覚めてしまった西園寺は、食堂で水を飲もうと思って
部屋を出た。……が。夜時間には食堂がロックされていることを思い出した西園寺は、
仕方ないので部屋に戻ろうとした。



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