メイド「私の嫌いな貴方様」
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50: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2017/03/18(土) 20:36:39.08 ID:nrd8x/MB0

――――。



女「そのおどおどしてるところが悪いと思う」


お嬢様「ぅ、……やっぱり……?」


 学校につき、お姉ちゃんは車を停めるとの事なので先に校舎に入りスリッパに履き替えた。


 数日前に郵送された手紙に記されたクラスへと足を向けている最中のこと。

 例のオドオドした調子でお嬢様に話しかけられた。


 なんで痴漢にあったんでしょうか、と。

 確かに彼女はチャラく、こういうのもなんだが、いかにも誘ってますよといった風にスカートを短くしている訳じゃない。
 むしろ、いよっ優等生! と囃し立てたいくらい長い丈だ。


 その装いも極めて普通。
 眼鏡をかけた三つ編みといったそちら向けの人に受けそうな外見。
 言ってしまえば地味。大和撫子と言ってもいいかもしれない。いよっ大和撫子!


 が、本来誉めるべき点も今回に限ってはマイナスだ。

 奥ゆかしくもいいが、抵抗しないのとは訳が違う。
 態度や雰囲気で舐められてはいけない。つけあがって今朝みたいなことになる。


お嬢様「ぁ、あの〜女さん……どうやったら、度胸ってつきますかね……?」


女「踏んだ場数。あと環境」


お嬢様「……」


 顎に手を当て眉間に皺をつくり思案する彼女。

 答えたことにそんな真剣になられると困ってしまう。
 迂闊なことが言えない感じ。


女「ま……まあ、結局は慣れだよ慣れ。……あっ、だからって毎朝痴漢されろっていってる訳じゃないよ?!」


お嬢様「……ふふっ、そうですね……場数に、慣れ、か……」



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