305: ◆MOhabd2xa8mX[saga]
2019/08/30(金) 22:50:24.19 ID:rwH+KsCwO
1時間後、遅れて来た会長は明らかに動揺をしていた。
どうやらこの先も俺とバンドを組めると思っていたらしい。
そんなもの通る訳が無い、俺自身が敵意を剥き出しにしたのを貴女は見ていただろう?
ずっと俺の事を睨んでいるが、ギターは俺よりも作詞先輩の方がずっと上手。
どうして怒っているのか。
歌詞の事は全く分からないが、作詞先輩のギターは飛び抜けている。
この人から教わったからこそ分かる。
2年生でまだ先がある会長とは違い、3年生であるこの人は燃え尽きる場所を探している。
生真面目すぎる会長にはこういう人の方が合う。
こんな機会をずっとまっていたんだろう?作詞先輩。
会長「私は認めたくない」
男「部の為です。勝負する弾は多い方が良い」
不良「男、私は反対しないけどさ」
不良「お前、ギターやめるの?」
男「……やめないよ」
不良「そっか、なら頑張れよ」
この部の中でも不良だけは俺の事を分かってくれている気がする。
幽霊部員「会長!これからよろしくっす!」
作詞「どうせ短い付き合いさ、よろしくね」
会長「……どうして?」
男「俺が歌う方が部の為だと思ったから、俺のギターでは幽霊部員先輩が納得しないから。なによりもこの部の為に」
何も嘘は言っていない。
その通りなのだから、会長のバンドで足を引っ張っていたのは明らかに俺。
会長「男なら幽霊部員だって……」
幽霊部員先輩は自分自身が気に入った人間としか演奏しないのは目に見えていた。
会長に対しては幾度も賞賛の言葉を浴びせていたのにも関わらずバンドに入ろうともしなかった。
男「幽霊部員先輩」
幽霊部員「男君の言う通りっすよ」
会長「……!!」
男「ほらね」
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