250: ◆MOhabd2xa8mX[saga]
2018/08/03(金) 21:47:40.26 ID:go9hQ4YNO
ドラム先輩とキーボード先輩は泣いていた。
それでも辛うじて演奏を続けていた。
先輩は無表情で掠れ掠れの声、先輩の本来の声からはかけ離れた醜い歌を続けていた。
これまでのやり取りは全て虚勢だったのだろう。
先輩の喉は限界だったのだ。
先輩の事だから皆には喉の事を話せなかったのだ、医者に無理を言って……この日の為だけに照準を合わせて……手術が必要なら手術を先延ばしにして……
先輩が大好きな人の為に……最大の機会を逃さずにはいられなかった。
私には分かる。
辛いよね、ごめんね、無理をさせて。
先輩一人に背負わせ過ぎてしまった。
女「――゛――゛♪゛」
声が掠れてしまってからの先輩は仕方が無く歌っていた。
せめてもの意地だろう。
この舞台に立っていると言う責任が、この舞台に私達を連れて来たと言う責任が先輩を晒し者にしていた。
先輩「……ありがとうございました」
曲が終わり、私達は不測の事態に騒然とする会場を後にした。
アンコール?あってたまるものか。
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