会長「音が紡ぐ笑顔の魔法」
1- 20
190: ◆MOhabd2xa8mX[saga]
2018/04/08(日) 23:40:45.94 ID:eId9HoRhO
男「引越し……?」

祖母「少し忙しいから……」

祖母「ほんの少しだけ引っ越してるだけだから」

男「いつまで!?」

女のような奇声をあげて叫ぶ。

男「いつまでなの!?」

何度も何度も叫んだが、意味は無かった。

祖母「……」

男「教えてよ!」

子供ながらにして捨てられたって事は分かっていたが、認めたくなかった。

男「じょうずに歌うからぁ………っ………!」

その時の俺は昨日出場した歌のコンクールで起きた出来事を思い出していた。

――――

パチパチパチ

男「……」ペコッ

「では、〜〜番の男君。歌ってください」

男(自由に歌いたい……な)

男(いいよね?どうせコンクールは何回もやるし……)

男(本当はもっと上手に歌えるって……お父さんとお母さんに認めてもらわなきゃ)

「男君?」

男「ごっ、ごめんなさい。歌います」

「はい、緊張しないでね」

男「La〜♪」

父「……」

母「どうしてこうなのかしら……」ハァ

「おお、凄い上手だな……」

「子供でこの表現力は……」

母と父は単純に率直に歌えば満足なことに対し俺はタメやアレンジを加えてしまう。

どちらも決して間違ってはいないが――

――

男「あのコンクールがきっかけだ……帰り道だって一言も……うわあぁぁぁ……!!」

祖母「ごめんね……私がもう少しまともに……!」

祖父「あの馬鹿は……」

そして……







あの頃から人として緩やかに死んでいくだけだった俺の事を……あの人が救ってくれた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
419Res/353.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice