133: ◆MOhabd2xa8mX[saga]
2017/10/11(水) 04:32:14.24 ID:lIlYdtOQo
違う、俺だ、俺だからこそ分かるのか。
作詞先輩からほんの僅かな期間でも教わることができた俺だからこそ分かる。
音から分かるなんて大それた話ではない、即興で生まれたであろう弾き方とテンポ……何よりも表情。
先輩は鬱陶しい程に満足げな顔をして俺の隣でギターを語っていたんだ。それが何だ、部活に顔を出す回数も少なかった癖に、今まで何をしてきたのかも分からないサボリ魔があんな顔をしてしまったら駄目なことぐらい先輩だって理解しているだろ?
それじゃあまるで自由天文部のために実は頑張っていました、実はこの部活が自由天文部が――
作詞「――大好きだったなぁ」
幼馴染「最後の演奏、良かったわ」
幽霊部員「作詞ちゃんっぽくはないっすけど、いいソロだったっすよ!」
作詞「あはは、そうかい?」
幼馴染「アンコールも来てるけど……」
幽霊部員「僕はいつでもいけるっす!」
作詞「盛り上がっているところで悪いけど私はもういいかな、完全燃焼だ」
幼馴染「ホント……?」
作詞「すまない、最後の我儘だと思って聞き入れてくれないかな?」
幽霊部員「じゃあ舞台から降りるっす―」
幼馴染「このまま廃部になったら私達だって……」ボソッ
作詞「気持ちを整理したいんだ、こんな状態で弾くのは良くない」
幼馴染「え……?」
作詞「さっ、我等が誇る後輩達の出番だね。前座は前座らしく舞台から降りてしまおう」
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