俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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820:1[sage]
2020/04/26(日) 00:41:41.20 ID:bGpQd3+80

陽乃「お母さんなら、今、書斎よ。すぐに来ると思うから、少し掛けて待ってて」

雪乃「 ―――― また、書斎?」

雪ノ下が形の良い眉を顰め、そんな妹を見る陽乃さんの口許にも苦笑が浮かんでいる。

陽乃「小さい頃、家で隠れんぼしてて勝手にあの部屋に入った時、お母さんからものすごく叱られたの。だからちょっとしたトラウマになっているのよ」

俺の考えを察したのか、陽乃さんが教えてくれる。

雪乃「私の方は専ら姉さんのいたずらに無理やりつきあわされて、その度にとばっちりを受けていただけだと記憶しているのだけれど?」

いもうとのんの異議申し立てに、あねのんの方はどこ吹く風だ。

そのまま応接間らしい部屋に通され、陽乃さんが手ずから淹れてくれた紅茶を前に、ふかふかのソファーに座ったまま待たされること暫し、やがてどこか遠く離れた場所から微かに扉を開け閉めする音が聞こえた気がした。


―――――――― どうやら、いよいよお出ましらしい。


俺と雪ノ下が緊張した面持ちで、じっと母親の登場を待ち受ける中、



♪ ♪ ♪〜♪ ♪♪♪♪〜♪〜♪ ♪ ♪ ♪〜♪ ♪♪♪♪〜♪〜♪〜 


ただひとり陽乃さんだけは面白がって、呑気にも鼻歌でスター・ウォーズの“帝国のマーチ”を奏でている。 


……… って、 ははのん、ダース・ヴェイダーかよ。




「 ――――――――――― お待たせしてしまって、ごめんなさい」



静かだがよく通る声音、く結われた髪、凛とした佇まい、目の前の姉妹の面影を色濃く宿す美貌。

たかが娘の友人である高校生に面会を求められただけにも拘わらず、一部の隙も見せることない厳かな風格の漂う和服姿。

廊下から続くアーチ状の開口部に落ちる影を抜けて俺達の前に姿を現したのは、



あねのんをも遥かに凌ぐであろう最強のラスボスにして最後の黒幕 ――――――――――― 雪ノ下母であった。





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