俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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2020/04/19(日) 21:04:25.16 ID:NPWzZ8gS0
葉山「 …… お前にいったい何がわかる」
俺の耳に、ぼそりと呟く声が聴こえた。恐らくこれがこいつ本来の声なのだろう。そう思わせるような錆の含まれた低い声音だった。
いつもの快活で爽やかな外見そのままに、中身だけが入れ替わる薄ら寒い感覚に襲われる。朱に交わってなんとやら。そんなところはやはりあの女性(ひと)と同じだ。
目には見えないが明らかに俺に向けて放たれた圧に対し、いつもであればあっさりと屈してさっさと逃げを打つところなのだが、今回ばかりはそうもいかない。
八幡「はぁ? 甘えてんじゃねぇよ。お前の気持ちなんざこれっぽっちもわからねぇし、わかりたいとも思わねぇーっつーの」
だが、俺の返す憎まれ口に、葉山はまるで反応を示さない。ならばとばかりに、
八幡「 ………… ま、勝手に親の敷いたレールの上を走っているだけで黙ってても好きな女が手に入るかも知れないんだ。タナボタもいいところだけどな」
続けて放ったそのひと言で、予想通り葉山の顔色が変わった。
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