俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2020/04/18(土) 22:27:31.49 ID:+7z8dsQm0
胸の上に何やら圧を感じて目を覚ます。
冬になると、いつの間にかカマクラが俺の上で丸くなって寝ている、ちょうどあんな感じだ。
夢現で目を薄く開けると、窓から差し込む淡い光に照らされ、染み一つないまっさらな白い天井が視界に広がっていた。
俺の部屋のものではない、見慣れない天井だ。
互いの家に泊まりに行くような仲のよい友達のいなかった俺としては、自分の部屋以外で目覚めることなど滅多にない。
だが、まるで馴染みのないはずのその白さにはどこかしら既視感があった ――――― 病院だ。
って、もしかして夢オチ? もしかして俺、また車に撥ねられちゃったとか? つか、我ながら真っ先に思いつくのがそこかよ。
やがて意識に記憶が追い付いてくると、糊の効いたシーツのたてるさらさらという衣擦れの音、肩にかかるすやすやと心地よさそうな寝息に気がつく。
――――― 胸の上に乗っているのはふてぶてしい猫などではなく、細くたおやかな白い腕。
時折、彼女がもぞもぞと動くと、ベッドのスプリングが僅かに軋む音がする。
掌には柔らく滑らかな感触、耳許には甘い吐息が鮮明に残っていた。
そして俺は深々と溜息をつきながら、自問自答する。
ちょっと乾燥機借りる間だけだったはずなのが、なぜこうなってしまったのだろうか。
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