俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2020/04/17(金) 09:28:15.36 ID:u2V0dNLU0
仕方なく、照れ隠しに頭をガシガシと掻きながら口を開く。
八幡「 ……… あー…、そういやさっき、お前、自分が本物じゃないみたいなこと言ってたけど ……… 」
雪乃「 ………そうね。残念だけれど、私はあなたの求めている本物には程遠いわ」
目を伏せたまま肯い、その黒い髪と白い息をさらうようにして冷たい風が吹き抜ける。
八幡「 …………… だったら、俺は本物なんていらない」
俺の言葉に、雪ノ下が驚いたように目を瞠る。そして俺はそんな彼女を真っすぐに見つめながら続けた。
八幡「 ……… 例え本物でなくても、俺は、お前が欲しい」
今ならはっきりとわかる。俺が欲しかったのは本物ではない。
いや、そうではない。例え完璧でなくとも、あるがままの雪ノ下こそが俺にとっての唯一無二の“本物”だったのだ。
もし俺の理想であり、憧れでもある雪ノ下が本物ではないのだとしたら、俺の求める本物など、この世界のどこを探しても存在しないということになってしまうのだから。
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