俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2020/04/06(月) 08:43:10.75 ID:Qd5hvHO10
雪はいつの間にか糸のように細く冷たい雨へと変わり、ふたりの上にぱらぱらと降り注ぐ。
八幡「 ………濡れちまうぞ 」
ともすれば、感情の波に呑まれて彼女の身体を掻き抱いてしまいそうになる気持ちに抗い、ゆっくりと引き離そうとする。
ここ数日、いや、それ以前からずっと悩み続けていたのだろう。元々線の細い雪ノ下だが、その肩は触れただけで折れてしまいそうなほど華奢だった。
八幡「それに、 ……… お前も汚れちまうだろ」
ひび割れ、掠れた他人のような声が俺の耳に届く。
嫌われ者は俺ひとりでいい。汚れ役も俺ひとりでいい。
誰かが汚れ役をやらねばならないなら、それが結果として大切な何か、かけがえのない誰かを守れるなら、本当の本物が守れるなら、俺が喜んでその役を引き受けよう。
そのためだったら俺はどんな犠牲だって払うし、どんな道化だって演じて見せる。
だからこそ、今の俺にできることといえば、せいぜい自分の気持ちに蓋をして、どちらも選ばないという選択肢しか思いつかなかった。
雪ノ下にこれ以上負い目を感じさせないため。彼女たちふたりの関係を守るために。
しかし、その一方で、俺の頭の片隅で覚めた声が囁きかけてくる。
だとしたら、もしそうなのだとしたら、俺の求めて続けてたいた"本物"とは一体何だったのだろうか、どこにあるのだろうか。
だが、雪ノ下がいやいやするかのように首を振り、そのまま俺の胸に顔を埋める。
そして、俺の自らに対する全ての問いかけを否定するかのように、くぐもった震え声が耳朶をうつ。
雪乃「もう、いいの。構わないわ …… あなたと一緒なら …… 」
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