俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2020/03/31(火) 11:30:37.78 ID:Ls+QV4MJ0
雪乃「 ……… どうかしたの?」
思わず反応してしまう俺に、雪ノ下が怪訝そうな表情を浮かべる。
八幡「え、あ、いや、それって ……」
ン・ヴヴヴヴ、ン・ヴヴヴヴ ……
と、ちょうどその時、間の悪いことに俺のポケットでスマホのバイブ音が響き始めた。
どうせまたいつものダイレクトメールか何かだろ、と、そのまま放置しておいたのだが、なかなか鳴り止む気配を見せない。
八幡「すまん、ちょっといいか?」
スマホに気をとられるあまり、返事を聞かないうちに雪ノ下に仔犬を押し付ける。
雪乃「え? や? ちょ、ちょっと、あ、あの、ひ、比企谷くん?」
手にした仔犬を明らかに持て余し、わたわたと慌てる雪ノ下を他所に、未だ鳴り続けるスマホを取り出して着信画面を見ると、――― そこには“由比ヶ浜”の文字。
そういえば雪ノ下がスマホの電源は切られたままだったはずだ。
ということは、多分、連絡が取れない事を心配するあまり、由比ヶ浜は迂回して俺のところに電話をしてきた、といったところなのだろう。
出るべきものかどうなのか、それ以前に着信相手が由比ヶ浜であることを知られていいものか逡巡しながら、そっと雪ノ下の顔を窺う。
雪乃「もしかして、……… 由比ヶ浜さん ………?」
俺の様子を見て何かしら察したのだろう。やはりというかなんというか、勘が鋭い。
八幡「 ……… うん、まぁ、そうだな」
ここで嘘をついても彼女に通じるとも思えない。素直に告げる。その間もスマホのバイブは鳴りっぱなしだ。
雪乃「出なくて、……… いいの?」
八幡「 ……… 今は、いいだろ」
ふたりの間に落ちた沈黙とは対照的に、スマホのバイブ音だけが、まるで責めるかのようにやけに大きく鳴り響く。
やがて、その音も唐突に途絶え、後には息苦しくなるような重い沈黙だけが残された。
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