俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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699:1[sage]
2020/03/09(月) 01:38:15.77 ID:0yGjL3CR0

八幡「どうするつもりなんだ、これから」

留学のこと、葉山とのこと、そして俺達のこと。全てを含ませた上での俺の問い。

雪乃「正直、どうしたらいいのか、私にもわからないの」

雪ノ下が小さく首を振りながら答える。

雪乃「どうしようもないことなの」

明確に応えることができない、その苦し気な胸の内を吐露するかのように付け加えられた言葉は、まるで自分自身に対する言い訳のように聞こえた。

八幡「お前らしくないな」 

自分でも思いがけずその言葉が口を衝いて出る。
俺の知る、いや、少なくとも知っているはずの雪ノ下は、誰の前であっても決してそんな弱音を口にすると考えもしなかったからだ。


雪乃「あなたの言う私らしさって、何?」

間髪入れず返されたその問いが、行き場を喪い力なく宙に霧散する。

そしてその声の響きは、以前、俺に対して同じセリフを口にした、とある少女を思い起こさせた。

今となっては彼女たちに対する俺の認識も、全て単なる思い込みや、勝手な理想の押しつけに過ぎなかった、ということなのだろうか。


八幡「 ……… そうだな。悪かった」

自己嫌悪に囚われ、ただありきたりな言葉でしか謝罪することのできない俺に、雪ノ下は少し困ったような表情を浮かべ、


雪乃「 ―――― 出ましょうか」

静かにそう促すと、返事を待つことなくしずしずと出口に向けて歩き始めた。




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