俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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595:[sage]
2019/07/07(日) 22:32:13.49 ID:VlhyZjJS0

行き交う人々の衣擦れや雑踏の音。絶え間なく流れるアナウンスの中で、俺達のいるこの一角だけが時の流れから切り離されでもしたかのように、全ての音が遠のき、あらゆる情景が色を喪う。

まるで空気が急に薄くなったような息苦しさを覚えたが、咳払いひとつ、身動ぎすらも許されない重苦しい雰囲気に包まれた。

先ほどの陽乃さんの発言から、いったいどれほどの時間が経過しただろうか。

葉山は彼女の真意を探るが如く、薄く笑みを浮かべたその顔を凝っと見つめ、そんな彼の姿を三浦が気遣わしげに見ている。


陽乃「 ――― それで隼人はどうするの? 誰を選ぶの?」

言葉こそ静かだが、一切の妥協も甘えも許さない声の響きから彼女が本気でこの場で葉山に選択を迫っているのがわかった。

そもそも陽乃さんが本当に酔っているのかどうかすら、かなり怪しいものがある。
常に誰よりも覚めた目で物事を捉える彼女にとっては、例え浴びるほどの量の酒を飲んだところで酔うことなどできようはずもなく、仮に酔ったにしても、そんな自分の姿さえ、一歩離れた位置から冷静な目で見つめているに違いない。



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