楓「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝後編】
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◆AyvLkOoV8s
[saga]
2017/01/18(水) 18:34:47.93 ID:WuE1tdoV0
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不満と希望がない交ぜになった346プロダクションは、そしてまた次の朝を迎える。
今回も平穏に、次の日を迎えることができた。
私はシンデレラプロジェクトの専用ルームにも上がってみる。
そこにはウサギを象った、大きなピンクのクッションが設置されている。
曰く…アイドル自身の個性を知ってもらうために持ってきた、私物のひとつらしい。
そして……やはり、彼女はそこで惰眠を貪っていた。
今西「やあ。相変わらずだね杏君」
杏「んー……わー、部長だ。急に来るもんだからショックで寝込むよ。ぐー」
今西「何を今更。誰が来るかなんて、君の耳ならとっくに分かるだろう?」
杏「まあ……そうなんだけどさー。ねむ」
今西「少しだけでいいから、老人の話に付き合ってくれたまえ。自慢の手土産も持ってきたからさ」
杏「お、分かってるじゃん部長。いいねえ新鮮なアメだ」
ケースを取り出して渡すと、杏君は待ってましたとばかりに起き上がる。
彼女が「アメ」と呼ぶ手土産は、飴玉のように丸くて汁気がたっぷりの、ジューシーな白球だ。
杏「あぐ……んち、もぎゅ……うん! うまい!」
今西「それは良かった。……君は変わらないフリが上手いねえ」
杏「いや、杏は実際変わってないし。仕事が面倒くさいのも、アメばっかり食べてるのもおんなじでしょ」
今西「いやいや。デビュー前と比べて、随分と面倒見が良くなったと思うよ?」
今西「今だってパトロールをやってくれていたようなものじゃないか」
杏「何のことかなー。杏は耳がいいから、たまたま会社で何が起きてるか分かるだけだよ」
今西「そうかそうか。有事の時はCPのみんなをよろしく頼むよ」
杏「……約束はできないよ。杏の耳が届くのは、この敷地内くらいだし」
杏「白鳩が何か企んでたとしても、ここからじゃ聞こえないからね」
今西「そこまで背負わせるつもりはないさ。アイドルを守るのは、こっちの仕事だからね」
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