楓「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝後編】
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◆AyvLkOoV8s
[saga]
2017/01/12(木) 22:12:40.40 ID:DnYpiQvm0
―――過去・島村卯月―――
始まりは、テレビを見ていたときでした。
すごくちっちゃい頃に見ていたテレビ。
そこには、とってもきらきらした女の子が映っていたんです。
キラキラしたステージに立って、素敵な衣装を着て、それがまるでお姫様みたいで。
テレビや街のスクリーンに映ったたくさんの女の子達を見ているうちに、
それが『アイドル』って呼ばれる人たちなんだと知りました。
そして……
私もあんな風になりたいって、思うようになっていったんです。
私もアイドルになって、あんな風にステージに立ってみたいって。
心の底から願うようになったんです。
でも、それをパパやママに話した時……すごく、悲しそうな顔をされたんです。
『ごめんね卯月』って。
『あなたはアイドルになれないの』って。
『あんな風に、人前で踊ることなんてできないの』って……
ちっちゃな私は、どうしてどうしてって泣きながら尋ねました。
パパとママは、私を抱きしめて答えを言ってくれました。
とっても簡単な答え。
私が、アイドルになれないのは。
それは、私が。
島村卯月が―――――
グール
―――"喰種"だからでした。
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