809: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:20:00.99 ID:6D6vTS+OO
機械室に人が戻ってきて、かれらはのびをしてからめいめい作業を再開し始めた。さまざまな種類の機械ががなり立てる騒音は耳栓がほしくなるくらいうるさく、機械や張り巡らされているダクト類の表面を微振動させるほどだった。天井のすぐ近くのダクトにもかすかな振動は伝わっていて、そこに寝転がって身を隠している永井と中野の後頭部や背中に鬱陶しい感覚を送っている。
中野「平沢さんたち、みんな無事だってよ。よかったな」
中野が左に顔を向け、上を見上げたままの永井に言った。ダクトに積もり積もった埃はエアホースから噴射された空気できれいに吹き払われていたので中野は遠慮なくおおきく挙動した。
永井「いいから、そういうの」
永井は顔を向けずとも中野の無遠慮さを感じ取っていて、ちいさく顔をしかめながらうんざりした口調で応えた。
中野「いやほんとすげえって。みんなの安全も考えて」
永井「犠牲者は出ると思ってたよ」
中野「余裕だったじゃん」
永井「佐藤がいなかったからな」
気の緩んだ中野を引き締めるかのように永井は口を開き、きっぱりした口調で言う。
永井「本番はこれからだ」
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