新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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740: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/07(水) 23:16:27.46 ID:vr0r0Ve5O

永井「原作はゴーゴリでしたっけ?」

文香「はい。永井さんはゴーゴリはお読みに?」

永井「主要な作品は。最近、後藤明生の小説を読んだので、読み直したいと思ってるんです」

文香「『挟み撃ち』は『外套』が下敷きになってますからね。芥川龍之介や宇野浩二もゴーゴリの影響下にいますし。というより、明治の作家はほとんど影響下にあると思います」

永井「坪内逍遙が『小説神髄』で〈小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ。〉と書いて近代小説には写実的リアリズムが重要だと主張してますが、これもゴーゴリの作風の一部分と到底する主張ですよね」

奏「ねえ、ふたりとも、わたしたちを置いてけぼりにして楽しい?」


 会話が深まりそうなところを奏が軌道修正する。文香は熱中ぎみになったのをはずかしがりつつ、ありすに詫び、ありすはふたりの対話の深まりに感心するばかり、アナスタシアはさっきから柿を食べていて、また食べ始めた。


永井「スーツ……なんだろ、レーニン?」


 こんどは奏の仮装を当てる番。永井はあてずっぽうに答えた。ロシア映画でレーニンといえば、それはもうやっぱりほとんどヒーロー扱いされていたから(セルゲイ・エイゼンシュテイン『十月』の象徴としてのレーニン、ミハイル・ロンム『十月のレーニン』『1918年のレーニン』の普遍性をもった小市民としてのレーニン)、二割くらいの確率で当たるかなと思っていた。



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