704: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:30:04.30 ID:z5kRHM0CO
田中が気づかなかったことがもうひとつあった。
佐藤のIBMに声をかけようとしてやめ、田中が通路を奥へと進んだときのことだった。
棒立ちしていたIBMの左手がゆっくりあがった。六本指が小刻みに震えながら閉じてゆき、人差し指だけが伸ばされた。
IBMは方向を指し示していた。
IBM(佐藤)『あっ……ちの……部屋……』
IBMは佐藤と同じ声を響かせた。その声を発したのは、佐藤ではなかった。
平たい頭をした六本指のIBMは自らの意思ではじめて言葉を話した。
ーー
ーー
ーー
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20