367: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:37:28.14 ID:jvW3su8lO
オグラ「先刻話した通り、IBMは崩壊し続けており、崩壊の際に特殊な電磁波を放っている。放射性同位体のようにだ。この電磁波でIBMと亜人は意思の疎通をしている。
ラジオが聞きづらくなることがあるだろう。雨の日なんかに。アレと同じ、雨の中でIBMは動かしづらくなる。
IBMは、パワフルだができそこないだ。やり合えそうな気がしてきただろ?」
戸崎「ああ」
オグラ「オマケでもうひとつ」
説明が終わっただろうと戸崎が席を立とうとしたとき、オグラが付け加えることがあるかのように言った。
オグラ「おまえらは亜人の殺害が引き金で中村慎也事件が起きたと予想していたようだが、それは少し大きな間違いだ。 われわれはあの現象をフラッドと呼ぶ」
中村慎也事件とは、ただ死んで生き返るだけだと思われていた亜人が特殊かつ危険な能力を持っているのだと、はじめて人間側が認識した事件だった。当時大学生だった中村慎也を捕獲しようとした黒服たちが全員死亡し、遺体は無惨にもばらばらにされていた。現場には多くの爪痕が広範囲にわたって残されていた。この証拠から、黒服たちを殺害した何者かは複数体、おそらく十体以上存在していたのだと推察された。
これまでのオグラの説明によって、 “氾濫”を意味する語を冠するこの現象は、IBMの同時多発現象のことだと戸崎は理解することができた。
オグラ「異常な感情の高まりと復活が重なった時、ごくごく稀に起こる現象だ。殺害にはいうほど気を使わなくて……」
オグラの頭が突然がくんと落ちた。
オグラ「あれ?……えーと……何の話だっけ……」
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