290: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 12:49:58.87 ID:8mPTevMeO
曽我部「これは先日省前で撮られたテレビカメラの映像です」
細い面長の顔をした若い厚労省職員が言う。眼鏡をかけたこの男は曽我部といって、戸崎の大学の後輩だった。曽我部はパソコンを操作して映像を再生する。液晶ディスプレイに映っているのは、先日の亜人虐待の抗議活動を撮影した映像で、テレビ局から直接借りたものだ。念のため、省前にいた人間の顔を調べ、その個人情報を擁護思想者リストに加えるための優先度の低い作業の途中、曽我部は映像に妙な細部を見つけ、戸崎に報告した。
曽我部「この男、なにかがぶつかったように不自然によろめく……」
曽我部は携帯電話で話している頭にタオルを巻いた男に戸崎の注意を促す。曽我部の言った通り、男の身体が突然バランスを崩し、あやうく倒れそうになる。映像には他にフードをかぶった男が映っているだけだ。
戸崎「いたのか、目に見えないやつらが」
戸崎は目線をディスプレイから外さずに言った。
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