259: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/06/10(土) 22:21:30.49 ID:7K73HWKCO
永井はあくびをする。冷たい麦茶を一口のんで、手のひらで畳の感触を確かめる。永井は平和だなあ、とほっと一息つく。佐藤が何をしようが、何人殺そうがそんなことはどうでもよく、可能な限りこのセーブゾーンに長く留まりたいと思う。
研究所から脱出するため河に飛び込んだあの日から丸一日かけて、永井はいまいる山村のちかくまで流されてきた。山中のおばあちゃんと出会ったのは偶然であり、幸運な出来事だった。なぜならおばあちゃんは、永井の正体を知ったうえで自宅に招き食事と寝床を提供してくれたからだ。永井はおばあちゃんの善意と提供してくれるものに感謝の気持ちをおぼえた。このふたつはとても大事だ。
しかし、と永井は考える。佐藤が事を起こすとなると、現在逃亡中の亜人として、僕の名前も関連して報道されるだろう。そうなった場合の対策も用意しておく必要がある……
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