251: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/06/10(土) 22:06:38.64 ID:7K73HWKCO
誰もいないモニタールームは暗闇に包まれている。戸崎は機器が並ぶ空間へと続く階段に無言のまま腰をおろし、細く引き締まった眼をモニターに向けている。正面の巨大モニターには亜人擁護思想者の個人情報がリアルタイムで更新されていて、この二日間でその数は飛躍的に増えている。
下村「今日ですね」
下村が階段を降りてきて、戸崎に声をかける。が、戸崎は振り向きもしない。下村はしかたなく視線をモニターに向ける。システムがあらたな亜人擁護思想者を発見し加算していく。
下村「どうするつもりですか、戸崎さん。省前は、大変なことになります……」
たまらず下村は不安げに戸崎に尋ねる。それでも戸崎は反応を示さない。
下村「わたしは、どうなるんでしょうか……?」
ついに下村はもっとも不安に思っていることを口にした。戸崎は首だけ動かし下村に眼を向ける。
戸崎「どうって、なにも変わらんよ」
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