京太郎「俺たちの……」マホ「可能性……?」
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324: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/12/31(日) 23:54:20.63 ID:tgL1bz3k0
ゆみ「っ……!!」

絶句するゆみの前で、京太郎は痛みに顔を歪めながらまたメモを握り締める。

マホ「どうして、そんな……」

京太郎「……こうやって、痛い思いをしてれば……絶対、忘れられないだろ?」

ゆみ「だから、自分の手に……刻んだというのか……!?」

京太郎「ええ。カッターでね……痛くて痛くて、眠れませんでした」

はは、と乾いた笑いを漏らす京太郎。

ゆみ「なぜ、そこまで……」

京太郎「……なぜ、ですか」

何が京太郎をここまで駆り立てたのか。

京太郎「もちろん――勝つため、ですよ」

ゆみ「たった一回の、勝利のために……?」

京太郎「……俺にとっては、譲れないものだったんです」

桃子は仕方ないことだと言った。だが京太郎は受け入れられなかった。

京太郎「どんな理由があれ、誰だって……他人から、そう簡単に忘れられていいわけがない」

ゆみ「……!」

京太郎「そして、どんな理由があれ……俺はそう簡単に他人のことを忘れたくない。これは……」


京太郎「自分との、戦いっすよ」


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