232: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/04/08(土) 19:12:50.88 ID:z+8iKsTi0
マホ「そうだ、蒲原さんは東横さんに慣れるまで、どうしてたんですか?」
京太郎(ああ、そうか。盲点だった)
智美も桃子を忘れないように、何か特別なことをしたのなら、それを参考にできるかもしれない。
智美「手には書かなかったけど、そうだな……私の場合は、匂いで覚えたぞ」
マホ「匂い……?ですか」
京太郎「香水でもつけてるんですか?」
智美「ううん、モモ自身の匂いだ」
京太郎(参考にならねぇ……)
マホ「へー……部員の匂いまで把握してるなんて、さすが元部長」
智美「あはは、モモのは必要があったから覚えただけだぞ。
それに……モモに関しては、ゆみちんの方が適役だったみたいだ」
京太郎(加治木さん……)
そういえば、桃子は練習中ゆみとよく話しているようだった。
京太郎「もしかして……『見える』んですか?」
智美「いいや、ゆみちんも同じだよ……あ、うどん来た」
それぞれ頼んだものがやってきて、一度会話が途切れる。
京太郎「……うまいっすね」
マホ「美味しいです!」
智美「だろー?……えっと、さっきまでなんの話してたっけ」
京太郎「加治木さんの話……いや、加治木さんと東横さんの話ですね」
この短時間で、また桃子の存在が意識からとびかけていた。
マホ「加治木さんも、東横さんが見えるわけじゃないって……」
智美「そうそう。モモはなー、基本的に誰にも見えないぞ?ゆみちんにもな。
けど、私たちは……モモが欲しかった。まだ名前も知らなかった頃のモモをな」
京太郎「どういうことですか?」
智美「麻雀部の部員を募集する時に、学内でネット麻雀をしたんだ。私たちとモモは、そこで初めて出会った……。
そして、その時の打ち筋を見たゆみちんがモモを気に入ってな。入部しないかって何度もチャットで誘ったんだ」
マホ「それで、説得に応じて入部した……と」
智美「いや?何度誘っても断られたさ」
ラーメンをすすりながら、なんでもないことのように智美は言った。
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