【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた
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207:
2018/06/03(日) 22:59:50.96 ID:liFig7jT0
 …………結局その後も、莉佳さんが逆転をすることはなかった。点数的にも、形勢的にも。

真白「おつかれ、莉佳」

莉佳「ありがと真白。ごめんね、負けちゃった……」

 戻ってきた莉佳さんに真白さんが声をかけた。

真白「いやわたしこそ、サポートできなくてごめん……。みさき先輩、どんな感じだった?」

莉佳「経験の差、かな。一瞬一瞬の判断の差が、どんどん広がっていく感じ」

真白「強い人と試合することでできる勘ってあるもんね。みさき先輩はその傾向強かったし……。うん、また目標が大きくなった!」

 真白さんが鼓舞するように言って、莉佳さんも同じように答えた。

莉佳「そうだね! また頑張らなくちゃ」

洸輝「先輩。莉佳さん、なんだか大丈夫そうですね」

 ほっとしたように俺は呟いた。が――

美亜「……洸輝。君はさっきまで何を見ていたんだい」

洸輝「……え?」

美亜「点差は広がっていく一方。状況も改善できない。自分の力が通じない。――これが悔しくなかったら、高校生のトップになんてなれてない」

理亜「負けた悔しさをかみ殺して、『エキシビションマッチの選手らしく振舞う』ことに専念する。伊泉くん、これがどれだけ大変なことか、理解しようとしてみてください」

美亜「ボクは、彼女はすごいって思うよ。FCが上手いとかそういうことじゃなくて、もっと他のこともさ」

 改めて莉佳さんを見ると、鳶沢選手に挨拶をして選手控えの更衣室に行くところだった。莉佳さんは俺たちを見ると軽く手を挙げたが、その手にあまり力が入っていなかった。

 そしてすぐさま顔を背けると、急ぎ足で更衣室へと入っていった。その肩を震わせながら。


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