【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた
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2018/05/19(土) 22:01:44.71 ID:VxKTJNqF0
弥生『鳶沢選手がブイタッチし、試合は振り出しの2対2! 二人がフォースラインに移りました』

 さっきのサードラインでの一方的な展開が、まだ目に焼き付いている。

 しかも今度は、立場が逆転している。

 鳶沢選手が有利な上をとり、莉佳さんが迎え撃つ。

詩緒「鳶沢さんの性格ならドッグファイト仕掛けそうだけど……。冷静に考えるなら、さっきの市ノ瀬さんみたいにブイ狙って躱した方が……」

 詩緒が冷静ぶって呟いているけれど、顔がドッグファイトを期待していた。

 ――いけ。魅せてくれ。

 わくわくに満ちた顔だった。けれど同時に……震えてもいた。

 洸輝「……」

 自分たち二人がかりでもあれだけ苦戦した莉佳さんが、攻撃を防ぐだけで精一杯だった。

 じゃあ、俺たちだったならどうなのだろうか?

弥生『鳶沢選手、まっすぐ市ノ瀬選手に向かっていきます! ドッグファイト真っ向勝負! 市ノ瀬選手が特攻を躱して背中を――え?』

 躱して背中を狙う莉佳さんに、鳶沢選手が翻ってエアキック・ターンをした。

 超近距離で反転してきた鳶沢選手に、莉佳さんは反応した。が――

みさき『さぁ、バチバチしようよっ!』

 鳶沢選手の振った腕、そのひじの部分にある浮袋が、莉佳さんを弾いた。

 勢いよく飛ばされる莉佳さんをすぐには、鳶沢選手は捉えられない。でも、確実に次のブイから遠くなるように弾いている。

洸輝「すげぇ……」

 あの莉佳さんを、翻弄している人がいる。

 空で、自由に、優雅に、強く、舞っている。

洸輝「すげぇ……!」

 自分より強いと知っている人が、負けかけている様子。それはかつて、真藤一成と乾沙希の、仇州夏大会の決勝戦のようで。

洸輝「……はは。楽しくなってきた……!」

 ――洸輝の姿は、かつてそれを見て「楽しい」と言った、倉科明日香のようだった。それがわかる人は、この場にはいなかったが。


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