88:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 00:25:35.26 ID:FHyQmHZuO
「そろそろだ。陣が起動する」
術式起動の影響か、街全体が僅かに揺れる。
地面に刻まれた陣が淡く浮かび上がり、ぐるりぐるりと回転し始めた。
「……ゆうしゃ、お父さんとお母さんは?」
「母さんは、父さんと一緒に後から来るって言ってたろ?」
何も言えずにいた勇者を見て、彼を困らせるわけにはいかないと、少年が口を開いた。
兄として男として、強がるならここしかない。ここは、勇者に頼るわけにいかない。
再び泣きそうになる妹を宥め、どんと胸を叩き、俺がいるから大丈夫だと笑って見せる。
釣られて泣き出しそうになるのをぐっと堪えながら、いつもの兄を演じてみせた。
これが、少年に出来る精一杯のこと。
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