432:名無しNIPPER[saga]
2017/01/31(火) 22:53:54.61 ID:JycQbLx1O
剣聖「手に掛けた数多の命」
剣聖「その重みに堪えきれなくなり、救世主と呼ばれた人形は、逃げるように姿を消した」
剣聖「それから長い間、人の世を歩き、人の世を見てきた。美しいものも、醜いものも……」
剣聖「あっという間に時は過ぎ、世界は見る間に変わっていった……」
剣聖「人々の記憶から魔神族という存在は消え失せ、偽りの歴史が真実を覆っていた」
剣聖「俺という存在はその為に生まれた命なのだと思うと、正気ではいられなかったよ」
剣聖「……まあ、救世主と呼ばれた存在も所詮はそんなものだ」
剣聖「あれから人として生きてきたつもりだが、人として何かを残せたかは分からん」
剣士「……初めて、師と話せた気がします」
剣聖「まあ、最初で最後だからな。特別だ」
剣士「勇者は、どうなるでしょうか」
剣聖「分からん。分からんが、俺のようにはならんだろう」
剣士「何故、言い切れるのです?」
剣聖「理由も根拠もない、そんな気がするだけだ。それに、弟子を失うのは一度だけで充分だ」
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