勇者「救いたければ手を汚せ」 
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342:名無しNIPPER[saga]
2017/01/18(水) 02:47:33.18 ID:WUYBRJMUO

剣士「……そうか、あれから六年になるのか」

盗賊「そういや名前聞きそびれてたな、折角だから教えてくれよ」

剣士「あれ、名乗ってなかったっけ? 僕は剣士だ」

盗賊「(……やっぱりな。そんな気はしてたよクソッタレ)」

剣士「精霊と一緒に勇者の保護者をしてたんだ。奴に殺されるまではね」

盗賊「あんたも奴に囚われた一人ってわけか」

剣士「まあ、そんなところだ」

剣士「しかし、あの時南部で出会った少年が魔王になってるなんて驚きだな」

剣士「考えてみると、こうして再会したのも運命なのかもしれない……」ウン

盗賊「何が運命だ、ふざけんな。恩人と殺し合う運命があってたまるかよ」

剣士「……仕方ないさ。運命っていうのはそういう生き物なんだよ」

盗賊「そんな生き物なら今すぐ踏み潰してやりてえよ」

剣士「はははっ、面白い子だな。でもね、そう簡単に運命は殺せないよ」

剣士「もう分かってると思うけど、勇者の下へは行かせない」

剣士「君には、魔王には此処で死んでもらう」ヂャキ

盗賊「……あのさ、あの時は言いそびれたから今の内に言っとくよ」

剣士「ん? 何だい?」

盗賊「あの言葉がなかったら、今の俺はいねえと思うんだ」

盗賊「……あんたには本当に感謝してる。だから、とっとと死んでくれ」ヂャキ



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