178:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 01:34:41.64 ID:NG5ps7hHO
あの事件から四ヶ月あまり。
共に過ごす内に、彼女に姉の面影を見ているのかもしれない。
(……助けたい理由なんてどうでもいいさ。失いたくないという思いに変わりはないんだ)
とうとう歩くこともままらなくなった彼女を背負い、街灯の持ち手を咥えて歩き出す。
放熱によって大量の水分を失い、更には吐き気や目まいによって何度も立ち止まりそうになったが歩みを止めることはなかった。
(臭いが治まってきた。もう少しだ)
店主によれば、降りて暫くは一本道が続くと言っていた。その言葉通り、これまでは一本道。
悪臭が治まってきたということは、この先に分岐路があるはずだ。
耳許で「ごめんね」と呟く彼女を励ましながら、道化師は歩き続けた。
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