志希「それじゃあ、アタシがギフテッドじゃなくなった話でもしよっか」
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96:名無しNIPPER[saga]
2017/03/06(月) 17:09:03.07 ID:QqrE/sCZ0

現場からの帰り道、アタシとプロデューサーは山道を車で走っていた。
辺りはすっかり暗くなっていて、外はまだ雪が降っていた。あまりにひどい雪でさ、車道には、他の車はひとつも見当たらなかったね。

そうそう。言い忘れていたけど、残念なことに、その日の仕事は“ナシ”になったんだよ。
息を切らしてやって来たアタシに「雪の影響でなくなったんだ」と彼は言ったけれど、アタシは事の真相を理解していた。そうだね、言うなれば、やっぱり彼は嘘をつくのが下手だったってことかな。

そんなことがあったからか、車内では会話がうまれることもなく、ラジオから流れてくる声が、街に押し寄せた寒波について話をしていた。どうにも電波がわるいみたいで、声はときおり掠れたようにくぐもっていたね。

どうしてこうなってしまうんだろうって、そのときはずっとそればっかり考えていたと思う。自分のせいだって、分かっていたのにさ。




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